n月刊ラムダノート Vol.3, No.2 (2021) に解説記事を書きました.
当初の仮タイトルは「微分幾何とか多様体とか言わない情報幾何入門」でした. 実質的な内容は, 「情報幾何の最初の好景ポイント」までの抜け道案内です. 専門的な登山装備をそろえなくても, こっちの道ならスニーカーでこんな景色が眺められるよ, といったところ.
n月刊ラムダノートで記事を書いてみたらすばらしい体験だったので, そのことを広めたくなりました.
自分で十分推敲したと思った文章にも, 鹿野さんから大小さまざまな改善提案がきて, 予想以上のレベルアップをしてもらえます. これがとても刺激的で楽しい. この記事の場合, 一番感謝しているのは, 「情報幾何の構築」の途中に「情報幾何による図形的解釈」の予告編をはさむという提案です. この助言(自分では全く思いつかなかった)がなければ, 読み通すのにもっとずっと忍耐が必要な記事になっていたでしょう.
……というあたりまでははじめから期待していた(鹿野さんだし)のですが, 実際はさらに余得がありました. プロの編集者が内容まで把握した上で文章を直してくれるというのは, 自分の書きぐせに気づく機会になります. 目の前の記事だけでなく, このさき文章を書くときに注意するとよいポイントを知れたのが, 今回の大きな収穫でした. いただいた編集コミットは永久保存して, こんど何か書くときにまた読み返そうと思います.
ネタをお持ちの方は, n月刊に投稿してみては いかがでしょうか. もし採用されれば, 一時的な原稿料や露出だけでなく, 長期的にも効くような得がたい体験ができます.
ちなみに, 今回の新たな鹿野さん伝説は, 描くのが難しくてあきらめていた「著者の脳内の絵」をしれっと勝手に描いてしまう, です. 驚いて声が出そうになりました. まったくどんな編集者ですか.
(追記 2024-07-28) 誤解がないよう念のため. 「勝手に」と言っていますが…